国際ロボコンFRC2024はじまるよー #1 ルール編

ルール発表の瞬間は見ようと仮眠をとったところ起きたら全てが終わっており、そのまま二度寝したところ午前も消失してガン萎えしているらずりです。怠惰〜(挨拶)
キックオフということでテンションは上がっているので、今年の日本チームの見どころや軽いルール紹介と考察をしようと思います。

自己紹介

改めまして、ロボコン大好き FRC卒業生のらずり(@Lazuly_tech)です。FRCはメンバーとして2020シーズンに6909 SAKURA Tempestaで活動した後、2021,2022シーズンに8615 SAZANKA Roboticsでメンターをしていました。昨シーズンは学生ロボコンに専念するためメンターを休んでおり、そのままかれこれあって今シーズンはどこのチームにも所属していません。

FRC2024開幕!

本日1月7日(JST)は国際ロボコン FIRST Robotics Competition 2024のルール発表日です。ここから約1ヶ月半〜2ヶ月のロボット製作時間が始まり、日本チームは今年は4月3~7日に開催されるハワイ地区大会に挑みます。

まずFRCとは

FIRST Robotics Competitionとは、アメリカの非営利団体FIRSTが提供するロボット競技会です。FIRSTは"For Inspiration and Recognition of Science and Technology"の略で、FRCの他にFLL(FIRST Lego League)やFTC(FIRST Tech Challenge)など、4~18歳の子供達にSTEM/STEAM教育(理工学系教育)に触れさせると同時に自信や問題解決能力の向上につながるような様々なプログラムを提供しています。

競技は8m×16.5mのフィールドの中に1.2m級のロボットが6台いる状態で行われます。物を飛ばしたり置いたり、台に登ったり棒にぶら下がったりとロボットの大きさだけでなく動きも大きいのが特徴です。毎年ルールも変わるので、マンネリ感もなく最高!

また"More Than Robots"のモットーの通り、企業との連携や中高生へのアウトリーチ活動、そもそもそれをできるようにするチーム運営など、"Robotics Competition"という名前の割にロボット製作以外の面がとても大きいです。

簡潔にいえば中高生が企業の協力を得ながら科学技術を周りに広めて、ついでにデカいロボットを作る大会です。

日本チームの挑戦

FRC自体は第一回大会が1992年に開催されており、NHK学生ロボコン(第一回:1991年8月)とほぼ変わりません。日本には予選大会がないうえ参加費も相当高価なためハードルがとても高いため、日本勢の初参加は5701 Indigo Ninjasと5749 Tokyo Techinical Samuraiの2015年となっています。それから10年目となる今年、日本のFRC界には大きな波が訪れようとしています。(後ほど紹介)

ルール紹介

テーマはCRESCENDO、やることは……?

そう、輪投げ
私が知る限りの学ロボ勢唯一のメンターであるきゅりあす氏は、楽しい楽しい輪投げの世界に幽閉です👋

試合形式

試合は、自動操縦限定時間の15秒(Autonomous Period, AUTO)と、そこから続く手動操縦可能な2分15秒(Teleoperated Period, TELEOP)の計2分30秒で行われます。
予選大会の予選(Qualification Matches)では1試合ごとにランダムに組まれた3チームを「アライアンス」と呼ばれる1組として、2アライアンス対抗で行われます。その試合形式も相まって、学ロボとは異なり、ロボットの動きやできること、得意/不得意などの情報は事前にオープンになっていることが多いです。

タスクと得点

主な得点方法はNOTEと呼ばれるこのオレンジ色のリングを

ロボットの展開制限外にあるSPEAKERに投げ入れたり

人がすぐそばにいる低めのAMPに入れたり

試合の最後にはチェーンをつかんで浮いたり

さらにはそのままNOTEを入れたり

最後の最後には人が投げ入れたり

投げ入れる範囲が大きかったり入れる位置が低かったりするので、学生ロボコン/ABUロボコン2023"Casting Flowers Over Angkor Wat"よりかは易しい競技になっているのではないかなと思います。リングの柔らかさ次第では高専ロボコン2015「輪花繚乱」の方が近い可能性があります。
チェーンは前代未聞です。一応過去のFRC2017 "FIRST STEAMWORKS"では綱を掴んでよじ登る回がありましたが、それよりもFRC2020 "INFINITE RECHARGE"や2022 "RAPID REACT"のハンガー掴みの方が近いかなと思います。

得点表です。

まず、AUTO時のリングでの得点は、TELEOP時の得点より高くなります。そりゃ自動だもん。

またAMP/SPEAKERの名前の通り、AMPに2つ以上のNOTEを入れた状態で人がボタンを押すと10秒間"AMPLIFICATION"となり、SPEAKERでの得点が1.5倍(2点→5点)になります。これはデカい。今までのルールでは低い場所にある得点エリアは得点が低いだけで何もない、ただ蔑ろにされがちなエリアでしたが、今年は勝敗と決勝トーナメント進出の鍵を握るエリアになっています。

そういえばチェーンを登った後、試合終了の瞬間に入る点数は例年1機20点くらいのイメージでしたが、決勝トーナメント進出のために必要なRanking Points入手条件になる程度と低くなっていますね。そこからも今年はAMPLIFICATIONが重要といえそうです。

決勝トーナメント

各試合の勝敗はその試合の点数で決定しますが、決勝トーナメント進出にはRanking Pointsが関わってきます。入手条件は

  • 試合勝利で2点、引き分け1点
  • NOTEを18個(ある条件を満たせば15個)入れる
  • チェーンを登ったりするタスクで10点以上獲得する

といった具合。全予選試合終了段階でのRanking Points上位8チームがAlliance Captainとして、決勝トーナメントを共に戦いChampionshipを目指す3チームを指名します。
この手続きはAlliance Selectionと呼ぶのですが、順番やCaptain辞退の読み合いなどあり、未だに理解できていません。

日本チームの紹介

ここで一気に紹介をしたいところですが、記事が長くなったり、私も提出物を終わらせたいので後日とします。

ちなみに今年日本から参加するチーム数は過去最高の7チーム、さらにうち4チームが新チームとなります!予選大会最高順位だった新チーム(Rookie Teamsと呼ばれますが)には、Rookie All Star Awardが贈られ、世界大会出場権を獲得できます。今は大所帯のSAKURA Tempesta、Yukikaze Technologyもかつて獲得した、スーパーチームの登竜門?ともいえそうな賞です。来年はいくつ残ってるかな

全く知らないチームが2つほどあるので、もしこの記事を見てくださっていたらお話し聞かせていただけると嬉しいです!

まとめ

今日からヒューストンの世界大会を目指す中高生の挑戦が始まります。製作費や輸送費だけでも多額の資金が必要になるので、チームのクラウドファンディング等見かけた場合はぜひご支援のほどよろしくお願いします!

次回: 日本チームの紹介