※注意
この記事は私が使っているのテンプレートの解説であって、の書き方やコンパイルの仕方。レポートの内容についてのものではありません。
はじめに
こんばんは、らずりです。2月に基礎科学実験Aの履修が無事(ほんとか?)終わってからの使用機会もガクッと減りましたが、最近はロボコン(後日記事を書きます)のルールをで書いています。実験レポートや論文だけでなく、意外とラフなのも書けるんだよ〜ということを後々紹介できたらなと思っています。ちなみに私の記述環境はNeoVim + ddc.vim + texlab です。VSCodeは補完がもっさりしていて避けがち...…
本題ですが,皆さんは自分専用のテンプレートを持っていますか?私はレポートを何度も書くうちに「これがすぐできたら便利だな」と感じてパッケージや記事を漁っては追加することを繰り返し,もちろん時間もなくなり現在の継ぎ足したれが出来上がりました.同じように過去に開拓してきた電通大の先輩方の記事も多く見つけました.この記事ではそんな自家製のたれ・テンプレートを紹介します.
パッケージとは
C言語などにおけるライブラリのようなもので,機能の拡張・追加をしてくれるものです.パッケージを導入したり組み合わせたりして,自分に馴染むテンプレートにしていきます.
一応文法の紹介です.hogeパッケージを読み込みたい時は,\begin{document}
以前(「プリアンブル」と言います)に以下のように記述します.
\usepackage{hoge}
hugaというオプションを適用するときは
\usepackage[huga]{hoge}
とすれば大丈夫.
テンプレートの紹介
テンプレート紹介と言っても参考リンクの紹介と多少の使い方の解説です.
↓何にでも使えるタイプのテンプレート.こちらを紹介します.
↓実験A用のテンプレート
基本的なパッケージ
graphicx(画像挿入), amsmath(数式補助), url(URLをきれいに) はもはや常識......説明は省きます.
数式強化 latexsym
latexsym は数式を扱う際に記号を追加してくれるものです.使ったことない気がするけど入れておいて損はないかなぁ......
単位革命! siunitx
必須級,革命的なパッケージです.「数字と単位の間は開けなさい!」「単位は斜体にするな!」など散々言われていると思いますが,これを入れて擦り続ければそのようなことは考えなくてよくなります.
例えばアボガドロ数 を記述する場合は
$6.02 \times 10^{23} \, \mathrm{mol}^{-1}$
と書いていると思いますが,siunitxパッケージを使えば
$\SI{6.02e23}{mol^{-1}}$
こんなに短く,まとまりのわかりやすい記述に......!!!
基本的な使い方は\SI{(数値部分)}{(単位部分)}
です.また単位部分のみで\si{(単位)}
と書くこともできます.
数値の部分はe
を入れることにより指数部分の表現ができます.指数部分が負の場合でも1.0e-5
のようにそのまま書いて構いません.単位部分はもちろん組み立て単位にも対応しています.例えば速度のやを表したい場合
$\si{m/s}$ $\si{m.s^{-1}}$
と表記すればOK.ドット1つで終わってしまうのが便利すぎる......
不確かさについては,表記方法をのようにしたいため,オプションに「separate-uncertainty」を指定しています.また表記方法は以下の通りです.
\SI{2.54+-0.03}{mm}
「その書き方でこうなるの!?」と便利に感じることが多いパッケージです.挙動の差については medit先輩のページ「実験AのためのLaTeX小技集」から見ることができます.
カッコは楽に physics
カッコの自動調整や微分・積分の記号を便利に書くためのパッケージです.
微分で用いるの は立体で書きたいが, は斜体で書きたい......という場合には
\dv{x}{t}
ちなみに\dv{t}
と書くと「」となります.
縦に長いカッコも\left( hoge ) \right)
のようにしなければ自動で幅が変わらないところも,下の表記だけで変わるようになります.
\qty(hoge)
表紙にどうぞ pdfpages
PDF書類をLaTeX書類に挿入するのに便利なパッケージです.実験Aよりも実験Bで表紙をスキャンし,pdfpagesで挿入するなどすると役に立ちます.
おわりに
実験Aはデータの取り扱いも面倒なのに添削も厳しい科目ですが,で書く最中にも簡略化したコマンドが使えるところは積極的に使って手間を省きましょう.レポート書く作業にも多少のコーディングがあった方が楽しいじゃん......?いくら萎えても初回のレポート提出には遅れないで出しましょう.1つも遅れずにそれぞれ1回でも出せばなんとかなります.
また,今後は個人的に決めているラベルの命名規則,表作成の補助ツールの紹介を「らずりのLaTeXテンプレート解説②」で行う予定です.